3) テーマ「交 通」

まちづくりと交通

国立市は、東西に約2km、南北に約4kmと小さい街(面積8.15km2)です。その小さい街の約1/3が文教地区に指定されています。学校・福祉施設・住宅・農地・日常生活を支える商店など、多様な要素のある街です。そのため、市内交通の基本手段は「歩き」(理念1:歩いて楽しいみちづくり)と位置づけます。また、安全に市内を移動するために、バリアフリーの考え方(理念2:みちやまちのバリアフリー化)を常に取り入れていきます。

一方、歩くことに不都合(肉体的・体力的・時間的)のある方を、「自転車」(理念3:自転車の似合うまち)「バス(コミュニティーバス・低床バス)」 「自家用車(低公害車・電気小型自動車)」(理念5:環境交通システム)などでサポートします。 

また、隣接市への移動手段として、「鉄道・バス・自家用車・自転車」(理念4:生活環境を重視した道路交通)が使われますが、これらは連携して考える必要性があります。(例えば、「鉄道」を利用するために駅まで「歩き・自転車・バス」で行く。)最後に、国立市を抜ける通過交通をうまく処理していくことも重要です。

これらをふまえ、理念1〜5にまとめました。しかし、道路計画など、周辺住民をはじめもっと多くの市民の間で、話し合わなければならない課題が残っています。特に、2000年10月の中間発表会以降は、都市計画道路3・4・1、3・4・3、3・4・4、3・4・7、3・4・10、3・4・12、3・4・14、3・3・15、7小通りなど具体的な道路について、必ずしも同じ意見ばかりがあがったわけでなく、お互いの意見をお互いが聞くという論議を重ねてきました。

都市計画道路、計画事業の見直し、20年以内に実施されるJR中央線連続立体交差事業や、20年以内に改善したい国道20号線(甲州街道)の環境改善(2車線に戻す)など最終的な市民提案の合意にむけて、より多くの市民の意見を取り入れ理解を得ていきたいと思います。



テーマ「交 通」

「歩きやすいみち、歩きたくなるまち ―車社会の見直し―」



理念1
歩いて楽しいみちづくり

A 大学通りの魅力アップ、みんなの広場化

B 小さな自然のある道づくり

C 安全で、コミュニティの場となる住宅地の「路」

D 散歩して楽しいみちのネットワークづくり

E 歩いて楽しくショッピング


理念2
みちやまちのバリアフリー化

A 誰もが歩きやすい歩道づくり

B 歩道利用のルールづくり

C 公共交通のバリアフリー化

D 商店街のバリアフリー化

E 公共施設のバリアフリー化


理念3
自転車の似合うまち

A 自転車ネットワークづくり

B 多彩な駐輪場の整備

C 共用自転車システムの構築

D 自転車利用の国立ルール 


理念4
生活環境を重視した道路・交通

―広域交通と暮らしの交通区分、車=不自由を楽しむ

A 道路・交通の見直し

B 住宅地の道路・交通管理(生活者主体の道路・交通体系)

C まちおこしになるみちづくり

D 南部地区の道路整備

E 市民参加のみちづくり、みちづかい


理念5
環境型交通システム

A 国立駅の保全と整備

B 鉄道立体化の活用(都市生活環境優先の鉄道・駅づくり)

C JR駅の活用

D コミュニィティーバス・新交通システムの導入

E 低公害車、都市型小型車(電気自動車等)の普及




理念1 歩いて楽しいみちづくり


項  目

現  況

課  題

方  針


大学通りの魅力アップ、みんなの広場化

1大学通りは新東京百景に選ばれている魅力あるみち。その一つの魅力として、四季が感じられる(桜、銀杏、クリスマスツリー)ということがあげられる。また、緑豊かな広い歩道(一橋大学と共に、国立市の緑のイメージを支えている)の商店街は、他に類を見ないもので、最近では国立グッズなども売られている。
2しかし一方で、広い歩道のほとんどが駐輪場化して歩きにくく、片側二車線の一車線は違法駐車というものも現状。
3大学通りの車のほとんどが、南北間の通過交通によるもののため、国立駅南口(ロータリー含)の渋滞や、車による東西での街の分断がおきている。
4自転車専用レーンなどがあるが、実際は利用率が低いなどが問題。

1大学通りの歩道の駐輪場化の改善、自転車の通行空間の確保。
2違法駐車の解消。
3渋滞の解消。(南北通過交通のルートの確保、東西の交通の分断)
4自動車、自転車の駐車駐輪スペースや緑地帯の開放的利用。

1自転車は、歩道の通行禁止を徹底し、早朝、通勤通学時、昼間など利用形態に対応したきめ細かな規制を行う。また、駐輪スペースとして、拡幅された自転車レーンや通勤通学の自転車をJR高架下に設けるなどの対応を行う。
2車両の片側一車線化による駐車空間の除去。(自転車専用道路の拡幅、商店への買い物のための駐輪スペースの確保)
3渋滞解消については以下の方法、考え方がある。
・JR中央線の高架化にあわせ通過車両の迂回ルートの設定。
・時間制、登録制などによる車両の進入規制。(エリアの設定)
・生活道路としての位置づけ。
4JR中央線高架下の駐車場、駐輪場化。
・緑地の一部ポケットパーク化。(公園化、樹木−歩きやすい、広い、楽しい)
・横断歩道の無信号化。(車は一時停止、歩行者優先)
・歩道橋の撤去。
・歩行者天国、季節ごとのイベント企画。
・水と親しめる空間などの計画。−大学通りに小川などの設置。


小さな自然のある道づくり

1大学通り、さくら通り以外では、緑が見られない。
2子どもが遊べたり、道草したり、立ち話のできるような道路が少ない。(自動車優先の殺風景な道路がほと
んど)

1旭通り、富士見通りなどの商店街の通りの緑化。
2安全な歩行空間の確保と沿道の「緑」の量の確保。

1一方通行化を推進して、歩道の確保と一部緑化、旭通り・富士見通りの緑化(三角地帯の緑化)や、歩道の延長として、ごく小さなポケットパークやベンチを隣接させる。市民の協力により宅地の接道部は、セミパブリック化(公開空地とするなど)を促進。(堀や門のセットバック)
2住宅地内の道路の歩道の設置や、沿道の樹木・果実・花の名前を通りの名にするアイディアの募集による道路づくり。−矢川・湧水池・小川に隣接する歩道の整備。


安全で、コミュニティの場となる住宅地の「路」

1国立市内では、ほとんど見られず、東・中・西地区では画一的な道で、歩車の区別が十分ではない。
2JR線などにより地域が分断されており、交流を阻害している。(安全でコミュニティの場となる道が少ない)
3また、南地域では、車両規制のない狭い道や甲州街道の公害、まちの分断などの弊害がある。

1歩車の通行空間の明確な区分。
2JR中央線の高架化にあわせた、歩行空間の確保。
3甲州街道の交通量の緩和、生活道路としての位置づけ。

1特に日野バイパスの整備やJR中央線高架化を勘案し、幹線道路と生活道路を明確に区別する。
2生活道路に位置付けられた道に、立ち話などのできる空間を確保。(わかりやすい歩車の区別、生活道路の一方通行化、交差点は無信号化、交差点での両方向一時停止、ボンエルフ道路、ポケットパークネットワーク、明るく演出効果のある照明の設置など)
3甲州街道の歩道の改善。(歩道の拡幅、雨天時の排水の改善。−歩行者への雨水の跳ね上げの抑止)
4画一的な区画整理手法の見直し。(旧道の道筋や地形を考慮した道路、公園などの設定など)


散歩して楽しいみちのネットワークづくり

1古くからの自然の道がなくなってきて、散策道などを新しく整備する計画も少ない。(富士見台や南地域の区画整理で殺風景な自動車道をつくりだしている)
2国立にとって大きな空間である多摩川までの道も整備されておらず、散歩道のネットワークがない。
3休憩所、ごみ箱、ベンチ、案内板、トイレなどの利便施設が少ない。

1歴史的な道や旧街道などを利用した歩行者専用道の整備。
2まちと多摩川を結ぶ散策道の整備とネットワーク化。
3維持管理の内容まで含めた利便施設の整備。

1既存の散策道と旧街道のネットワークによる散策ルートの設定と横断歩道などルート確保のための整備。
2多摩川の堤防上部の道へのアクセスルートの設定。(南北の散策ルートの設定とバス利用等との連携)
3高齢者、障害者の利用を考慮したトイレ、ベンチ、水飲み、案内板などの適正な配置と市民の管理作業への参加。
4区画整理事業等で公園用地の確保。(30%の道は散歩したり、おしゃべりしたりできる道の義務づけ)
5立川からの多摩川歩道の国立延長計画。−富士見通り〜学園通り〜旭通りの歩道ネットワークの整備。


歩いて楽しくショッピング

1商店街の歩道が狭く、自転車、自動車、人が混在していて買い物のための空間が確保されていない。
2商店街はどこも車優先となっている。(特に矢川)
3良い例としてブランコ通りがあるが、この道の両端はすぐ車道に出てしまう。
4富士見通り、旭通りは歩道が立ち止まれないほど狭く、商店街としての魅力が半減している。

1商店街での「買い物のための空間」の確保。(歩車の分離、歩行空間の確保)
2歩行者専用道と商店街の連携。
3富士見通り、旭通りの販促空間としての位置づけ。

1時間帯による通過車、駐車(物流車、自家用車)などの制限を行い、歩きながら、散策しながらのショッピングに対応する。(駐車、駐輪場の整備との連携)
2散策道と商店街の連携による「くにたち」ショッピングルートの設定。(商店会のキャンペーンなどとの連携)
3富士見通り、旭通りの一方通行化により歩道拡幅を行い、「人のたまる」空間として商店街を整備する。(富士見通り〜大学通り〜旭通りを東西につなぐ歩行者専用道、自転車専用道の設置)
4歩いて楽しい特徴あるテナントの誘致。(「くにたち」らしい店舗デザイン、色彩を施したオープンカフェ、雑貨店、レストランなど)



理念2 みちやまちのバリアフリー化


項  目

現  況

課  題

方  針


誰もが歩きやすい歩道づくり

1誰もが安全に歩きながら、移動できる道が市内にはほとんどない。(大学通りとさくら通りがなんとか通れる状態である)
2特に、車椅子利用者などが自宅からJR各駅まで介助者なしに向かうことは、不可能である。
3幹線道路でも商店街の道でも歩道が狭く、電柱やガードレールが歩道の中にあり、車椅子では通れないところが多い。(自転車、自動車、歩行者が混然となり、通行区分がほとんどなされていない)

1歩行空間の確保、バリアフリー認識の促進。
2基本的に自宅から介助者なしで駅やバス停まで移動し、一人で公共交通等を利用して目的地にいけることが前提。
3電柱や照明灯など歩道に設置してある設備の再整備による歩行空間の確保。

1歩道幅員の確保とともに、色分けなどによる舗装を行う。(自動車への歩行空間の認識、タイル、ブロックの不採用)
2助け合いや人づくりによる道づくり。(弱者に配慮する教育や啓蒙)
3歩道部の色分けや車道との境はピンコロ石を使用するなど歩行部分の明確化。−車道の幅を削り車利用を不自由にし、歩道の幅を広げて段差をなくす。


歩道利用のルールづくり

1歩行者の通行空間が明確ではなく、自転車利用のマナーが確立していない。
2特に商店街で放置自転車が多い。

1歩行者対自転車の事故の解消。
2自転車の利用形態に対応した駐輪スペースの確保。
3自転車利用のマナーの周知と徹底。

1特に大学通りでの自転車利用空間(通行、駐輪等)の確保。
2商店街の歩道利用ルールの設定。(歩道の拡幅等)


公共交通のバリアフリー化

1ノンステップバスの導入を各社が始めているが、バスターミナルやバス停の対応が遅れている。
2JR駅等でのエスカレーターの設置が進んでいるが、車椅子等での利用は補助者が必要である。(利用者が自由に移動できない)
3JR駅などでのホームと車両の段差があり、介助が必要である。
4特に視覚障害者への対応が不十分である。(転落事故等への対応)
5視覚障害者対応の信号機の整備が遅れている。
6電動車椅子対応のエレベーター、回転スペースなどが十分に確保されていない。
7上記の対応に利用者の意見が十分に反映されていない。

1ノンステップバス等の導入の促進、バスターミナルの改善。
2いつでも、誰でも、一緒に使えるエレベーターの整備の促進。
3ホームと車両の段差の解消。
4視覚障害者のための転落防止策の設置。
5対応の信号機設置の促進。(音声式信号機は視覚障害者にはわからない)
6あらゆる車椅子に対応した利用設備、利用空間の確保。
7バリアフリーに対しての利用者の意見の十分な反映。

1バスの車両の基準については、各自治体ですでに導入され、有効性が証明されているノンステップバス(床高30cm)を基準とする。また、バスターミナル等公共的なスペースでの整備を行う。
2垂直移動に関して開放、共用型エレベーターを基本とする。(一般乗客と共に利用できる構造とする)
3ホームと電車の段差解消のために、普通鉄道構造規制の改正と基準の見直しを行ない、早急に対応する。
4視覚障害者の転落事故は、生命に関わる重大問題として認識し、ホームドアシステムの導入を進める。
5視覚障害者に対応した、触知式交通信号機の開発と設置を行う。
6電動車椅子に対応したエレベーターの仕様、回転スペース、幅などについて、適正な基準で整備を行う。
7上記のような計画、整備を行う場合は、かならず当事者等ヒアリングを行い、反映させるような意見聴取システムを構築しておく。


商店街のバリアフリー化

1車椅子等での利用を考慮した商店が少ない。
2商店街全体でバリアフリーを視野に入れた整備が進んでいない。

1個人商店の努力でバリアフリーの店が点在するが、利用者は多くない。
2歩行者や車椅子利用者の通行空間が明確に分離されていない。

1商店街のバリアフリー化に対して、障害者等へのヒアリングを行い、行政や市民の協働作業でのバリアフリー商店街づくりの周知と整備を進める。
2商店街の歩道の拡幅等による歩行者、障害者の通行空間を確保。


公共施設のバリアフリー化

1防災センターや集会場でバリアフリー対応の整備が行われていない施設がある。(特に基準設置以前の建築物)
2視覚障害者への対応が不十分である。

1公共的な施設のバリアフリー化の推進。
2障害者と健常者の交流の場としての公共的施設の利用の促進。

1スロープの設置や段差の解消、身障者対応のトイレ等の整備。−障害者等からの情報の収集と整備への反映。
2公共施設にかかわらず、人々の交流の場として公共施設の利用を促す必要がある。(日常的な話し合いやイベントなどの協働運営など)



理念3 自転車の似合うまち


項  目

現  況

課  題

方  針


自転車ネットワークづくり

1自転車道は大学通りだけで国立市全体でネットワークされていない。
2道路の中に自転車の利用空間が十分位置づけられていない。−バイクなど二輪車の通行を考慮した道路整備が行われていない。

1市内の様々な施設や自然豊かな場所を巡る、自転車道のネットワークの整備。
2自動車に代わる移動手段としての自転車の位置づけ。
3二輪車の通行空間の確保と利用空間の視覚的な明示。

1自転車道のネットワークづくりにおいて必要なのは、自転車をどう位置づけるかの問題である。バリアフリーの考え方と似ているが、基本的に車に換わる乗り物として、市内のどこにでも自転車で行けるよう自転車道、歩道の完全ネットワークを整備する。
2現在ある大学通り自転車道を多摩川まで延長したり、より広域的に他市からの延長として多摩川サイクリングロードの拡充などがあげられる。
3また、整備に向けては、交差点などでの自転車道の分離や、障害者を含む歩行者、自転車が完全に色分けされ、どこでも判別できるなどを考慮する必要がある。−サインだけでなく路面の色分け等。


多彩な駐輪場の整備

1各駅周辺には、駐輪場が整備されているが、スペースが不足しており、あっても有料であったり駐輪機器が使いずらいなどの問題がある。−商店街の車、自転車に対する駐車・駐輪場、通学・通勤の自転車に対する駐輪場が出来てないため、違法駐車・放置自転車などが多い。
2駅から遠いなど無計画で不便な駐輪場のためにうまく活用されていない。そのために、目的地の前に他の目的の自転車が置かれ、歩行者の邪魔になっている。
3歩行者などほかの通行者に対しての、自転車利用者のマナーにも問題がある。(車椅子等が通れないような放置の仕方が見られる)

1自転車の利用目的に応じた、駐輪スペースの確保と整備を行う必要がある。
2国立は歩いて移動可能なまちであり、車での移動はもとより自転車も使わなくても良いともいえるが、重い荷物と移動スピードを考えると今の生活にはかかせないものになっている。−放置状態(場所・目的・時間帯)を調査、把握し、その内容を知る必要がある。
3自転車利用者へのマナーの徹底。

1自転車の使われ方は大きく分けて、駅(通学・通勤)に行くもの、商店街に行くもの、レジャーとしての自転車に分けられる。これらを、目的、放置場所、時間帯分布(自転車利用調査)などを調査の上検討を行う。その上で目的に対応して必要な駐輪スペースを確保し、その目的以外の駐輪を徹底して取り締まる。又、目的に対する動線計画(自転車道計画)を行う。
2国立の放置自転車は、国立駅周辺・大学通りに集中している。これらのほとんどが通学・通勤の自転車である。駅の利用なら駅が収容すべきであり、高架事業と併せて、高架下に通学・通勤用の自転車置き場を設置する。
3大学通りなどの商店街では、本来セットバックしてスペースを作るべきだが、現状では難しい。そこで、大学通りを片側1車線化とし、自転車道の拡幅と商店街利用者のための駐輪スペース(斜め駐輪)とする。これにより歩道側の駐輪を一切禁止し、歩行者(車椅子)のゆったりしたスペースを確保する。さらに、目的以外の放置自転車を取り締まるために、放置駐輪(例えば5時間以上)を禁止(撤去)する、などのルールを設定する。


共用自転車システムの構築

1自動車なら目の色を変えるのに、自転車そのものが安値で、皆が管理に必死にならない。
2駐輪場(スペースがあるだけ)に魅力がない。

1長期間の放置自転車の活用を考える。
2利用しやすい駐輪場の整備。
3利用されている自転車の総数を減らす工夫。−サイクルセンターの設置。

1長期放置されている自転車を修理し、共用自転車としての利用を図る。
2通勤と通学の相互利用や集合住宅また自治会などのあるエリアでの共有化。(車メーカーの団地での自動車共有の自転車版)
3シャワーなどを完備し、誰でも利用できる街めぐり用自転車を配置した、サイクルセンターの整備。−自転車道のネットワークと連携した整備。(歴史的な資源を巡るコースなど)
4駅近くの駐輪場では、喫煙コーナーや飲み物コーナー、電話ロビー、トイレなどの設置が考えられる。


自転車利用の国立ルール

1利用されている自転車数が多いだけでなく、利用者のマナーも悪く、特に車椅子などの通行を阻害している。

1国立の中で、自転車の利用を推進するならば、国立独自の自転車利用ルールを考える必要がある。

1自転車についてはいろいろある研究や計画を参考にして、国立独自の自転車を基本 としてまちの計画づくりを行う。市内は徒歩、自転車で移動するのが国立交通の基本(本来は歩くのみ)とする。
2具体案としては、登録制自転車、長期放置自転車の撤去、違法駐輪の罰金制度、乗り入れ規制エリアの設定。駅周辺や時間制限(例えば富士見通り、旭通り10時〜16時進入禁止など)、所有者利用制限(登録番号の偶数奇数による利用規制など)など。
3歩行者専用、自転車専用、歩行者自転車共用とはっきりとさせ、通行空間の明確化も必要である。



理念4 生活環境を重視した道路交通−広域交通と暮らしの交通区分、車=不自由を楽しむ


項  目

現  況

課  題

方  針


道路・交通の見直し

1市内全域で住居者不在の自動車優先の道路となっている。
2国、都が進める広域幹線道路が国立市のまちづくりと無関係に進められている。
3広域幹線道路と生活道路の区別がはっきりしないため、車が全市内の隅々まで入り込み、抜けられるところから市外へ連結している。
4広域幹線道路がまちを分断している。

1市内の道路の性格を分析し、通過交通(広域幹線道路)と地区内交通(生活道路)に分類・整理する必要がある。特に、広域幹線道路については、沿線対策や交通公害緩和をはかる。
2市内の都市計画道路を中心に、沿道市民の意見を尊重するとともに、生活道路化、交通公害緩和の観点から道路のあり方について改めて市民合意をはかり、計画の見直しを進めることが必要である。

新しい年度において、市民参加のもと、関連地域の市民、行政の意見も聞きつつ、以下に掲げる点等について検証、討論し方針を決定する。
1多摩地区全体の環境基準の先導的指針となるような国立市独自の環境基準を設定した道路・交通計画。
2生活道路、地区生活道路の位置付け。
3都市計画道路に関しては、市として関連当局に対し「見直し」の要請。
4甲州街道をはじめとする幹線道路の車線減を含めて道路空間利用方法の見直し。
5生活道路の構造・制度など。(幅員、緑地、歩道、自転車道、一方通行規制など)
図−大きな一方通行化も含めて検討する。それぞれのループに、コミュニティー・バスを運行。(次頁参照)


住宅地の交通管理(生活者主体の道路・交通体系)

1基本的に住都市でありながら、身近な生活道がない。
2住宅地の道路は基本的に自動車道であり、ゆっくりとおしゃべりの出来る住宅地道路ではない。

1一方通行化を徹底し、本来の生活道路としての構造に改善する。
2個人駐車の集約が出来ないか?
写真−西の住宅街(次頁参照)
3文教都市でありながら、本来の生活道がはっきりしない。また、その内容もはっきりしない。→生活道路の明確化
写真−一橋大西側道路(次頁参照)

1一方通行化を推進し、歩道の確保と緑化。(三角地帯の緑化、ポケットパークやベンチの設置)
2幹線道路と生活道路を明確に区別し、生活道路には立ち話などのできる空間を確保。−ポケットパークや明るく演出する照明の設置など。(周辺市まで考えて生活道も考慮)
3甲州街道の歩道の拡幅、雨天時の排水の改善。−歩行者への雨水の跳ね上げの抑止。
4市全域の住宅地に、子ども達が遊べて、おしゃべりの出来る身近な生活道づくり。


まちおこしになるみちづくり

1道に性格がない。大学通りさえも。−街並みの一部となる道路も規格通りに漫然と整備されてきているため、地域を感じさせるようなみちがほとんどない。

1魅力ある商店街づくりとみちづくりを一体的に進める必要がある。
2住宅地には住宅地にふさわしい道路のつくり方を検討する必要がある。
写真−富士見通りのスーパー(前頁参照)

1まちの性格をはっきりさせた、みちづくりがまちおこしになる。
2大学通り、学園通りは学生のまちらしく、散策を楽しめる広場通りへ。
3商店街通りは、ゆっくり歩いてショッピングを楽しく。
4住宅街では、いつも子どもや親たちのオシャベリが。
5農道は農村風景の原点―生活路地を生かしたまちづくり。
6大学通りを日本の道百選に。
7大学通りのイベント。(骨董市、ボロ市、世界一長い綱引き、大道芸人大会など―ロータリー、富士見通り、旭通り終点に、大学通りと学園通りの交差点に)
図−「生活」に相応しいみちづくり(前頁参照)


南部地区の道路整備

1都市計画道路や区画整理事業が進む。
2一方で無秩序に農地の宅地化が進んで、混乱した状態にある。

1街道のまちの再生。将来的には甲州街道の2車線化を検討。
2谷保地区の歴史的景観を残しながら、住都市化を進める。(街道、アゼ道など古い歴史通りを残しながら住都市へという見直し。これまでは畑の中に小さい住宅が無秩序にできた感じ)
3南部の田園地帯と区画整理事業の両立。特に高速道路とハケの間は。

1甲州街道沿いの南部谷保地区は甲州街道を再生し、歴史的街並みに配慮しながら低層住宅都市へと移行する。(住都市への移行を考え、歴史的街並みに配慮しながら住宅地道路の配置を考慮)
2南部のハケ下地区は、区画整理後の用途(生活)について早急に基本計画し、道路配置を見直す。(計画がなければ住都市だけど車優先の舗装道路だけの街になってしまう)
3水田や水路を残しながら、どのようにして街に溶け込んだ風景とするかが、南部地区計画の核心。


市民参加のみちづくり、みちづかい

1都道、国道は南部の田園地帯を通し易いということで、計画線を自由に引いたものであろう。今となってはまちづくりの支障となっているのが現状。
2まちづくり計画と道路計画が一致していない。
3一旦決定した計画を通過都市に押しつけている。(そのまちの景観すら壊して押し通している)

1地域の参加と主体性が不可欠。(みちは街と人のためにある)
2多様な手法で道路づくりする必要がある。(みちづくりがまちおこし)

1市民参加による地域のまちづくり計画の中で地区内生活道路等の位置付けをし直し、まちに合った多様な手法で道路づくりする計画に切り替える必要がある。
2伝統的な農村風景や自然環境、周辺の生活環境を配慮して、道路計画を見直し決定する。
3周辺の区画整理事業の将来像を確定し、大気汚染や街並み、景観にも配慮しつつ道路計画を進める。
4市民ボランティアによる街路樹管理。



理念5 環境型交通システム


項  目

現  況

課  題

方  針


国立駅の保全と整備

1国立駅前ロータリーと大学通りの夕方の渋滞は激しく、慢性化している。
2JR中央線の高架化に伴う駅舎の扱いは、国立市民不在の計画。

1大学通りの渋滞の解消による排気ガスの減少。
2駅舎と駅前広場、大学通りの一体的な整備。
3国立駅舎の保存手法の検討。

1広域的な道路の整備による通過交通の削減。
2人車の分離を行う。案として
・駅前ロータリーは地下化し、上部は人と自転車の空間とする。
・車の進入を規制し、バス、タクシー以外は迂回させる。
・駅舎前の歩行スペースを確保。
3駅舎の保全と合わせ、南口、北口周辺の総合的に計画、整備する。
・駅舎の価値の再確認
・駅舎左右の店舗の撤去又は一体化
・高架以外に策がない場合、駅周辺の高架下は歩行者通行のみとし、ごく低い高架とする。(現在の高さ程度)など


鉄道立体化の活用(都市生活環境優先の鉄道・駅づくり)

1JR中央線高架化が事業化し、地下化、半地下化は不可能か?「決まったから仕方がない、これで考えようでは疑問」
2中央線高架化による新駅の計画が中断している。

1中央線高架化の対案の検討。
2新駅周辺区域の計画に課題がある。

1立体化に合わせ、駅前広場も含めた総合的計画。
2線路のオープンカットによる地下化を提案など。
a 高価な買い物であり、まちを大きく変える要素であるから、50年、100年先を考えて、市全体でもう一度検討し、意志統一する必要がある。
b 駅舎はそのまま残し、「駅舎」として使用する。


JR駅の活用

1今はみちの隅々まで車が入れることが条件でつくられていることが大問題。
2国立駅は国立の中心にありながら駅以外の活用がない。
3谷保駅、矢川駅に魅力が乏しい。

1駅周辺の車の進入エリアの再検討。
2駅舎の活用方法の検討。
3駅前広場を含めた駅周辺の整備の考え方、方向の検討。
4谷保駅、矢川駅と国立駅が連携した魅力の再構築。

1車社会の見直し、車が入れることの条件の再設定。
2駅舎の駅舎以外の活用を考える 市役所、図書館の出張所、市政ボランティア活動等の広報の場に。
3駅を拠点とし、自転車、歩行を交通手段としたまちに焦点を合わせて、都市マスをまとめる。−歩きが原点。また、国立駅をまちの拠点としたとき、周辺はなんとも淋しい。設計競技により駅舎周辺計画を考え、まちの中心としての景観をとりもどす。(昔は木造の親しみ易い駅舎である)
4駅前広場の確保、駅前の魅力を創り出すイベント企画。
53駅のネットワークづくり。−国立〜谷保〜矢川駅のバス路線の充実。
6谷保、矢川駅舎も国立駅のように三角屋根の木造駅舎に。


コミュニティバス・新交通システムの導入

1どこも車中心である。
2既存路線バスで、一つのバス停で各会社別に二つのバス停がある。
3国立駅前のバス表示が各会社それぞれで、わかりにくい。

1大気汚染や省エネルギーを視野に入れた、交通システムの検討。
2つかいやすい、わかりやすい利用、案内機能の充実。−景観も配慮する。

1国立市の抜本的交通手段、交通網の見直しを車中心から鉄道、歩行者、自転車中心に見直すことから始める。
2昔はどうだったでなく、これから50年(20年)後を見据えて計画。鉄道、歩行、自転車を中心に更に新しい交通手段を、バリアフリーそしてシステムを含めて根本的に考え直す必要がある。
3北地域、南地域を循環する電気コミュニティバスの整備。
4バスターミナルやバス停などの案内機能の統一化(一体的なデザイン)と既存路線バス停のポケットパーク的な整備。
5国立駅〜谷保駅間の新交通システムの導入。−LRT※、トロリーバスなどの検討。


低公害車、都市型小型車(電気自動車等)の普及

1普通乗用車、トラックなど石油燃料主体の自動車類が個人、業務を問わず、市内隅々まで通過している。

1市内全域にわたって、自転車交通を主体としながら、生徒、高齢者、障害者などの個人市内交通手段として、低公害車や小型電気自動車の普及を期待。

1特に住居地域内(身近な生活道)の一方通行道路は、子どもたちが遊んだり、おしゃべり出来る道とし、その脇を小型電気自動車や、自転車が通過出来るように計画。(購入価格、宅配車等サービス車の問題など山積)


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