どんど焼き

words & photo: サエキアキラ

1月15日。成人の日。僕らの代の時はどこからかバンドを呼んで、 その演奏を聴いたような記憶があるけれど、今年はそういうことはやらなかったようだ。 ただひたすら退屈な話を聞くだけだったらしい。開場の総合体育館の周りには、 20歳の若人がたくさん集まって、近況報告に花を咲かせていた。

この日はまたどんど焼きが行われる日でもある。 国立市内でもいろいろなところで行われたらしいのだけれど、とりあえず 一番メジャーな谷保第三公園のどんど焼きを取材した。

国立のどんど焼きは、繭玉行事と、塞の神の行事とがごっちゃになったものらしい。 まず公園のところどころに木切れや書き初め、門松やしめ飾りを集めて火を付ける。 そこに長い木の棒の先に団子の繭玉をくくりつけて焼く。けっこうおいしいし 無料だったりする。この日は近来から大勢の人が集まる。年が経つにつれ ますますの盛況である。

繭玉行事はむかしの養蚕業のなごりだそうだ。塞の神は道祖神で、二つの行事は むかしは全くの別のものだったらしい。昭和54年に、下谷保自治会青壮年部の 手によって復活したときに、今の形になったと本に書いてあった。 いまやどんど焼きは国立の立派な伝統行事である。末永く続くことを望みたい。

(Feb. 1996)