『くにたち未来通信』No.1

editor: 佐伯 章

『くにたち未来通信』No.1
1998/9/27 

〈市民自治〉〈市民参加〉〈情報公開〉

【編集・発行】上原ひろ子と市民参加でまちをかえよう会
連絡先 安藤聡彦
       tel:042-576-0697
       fax:042-576-0697***777


今月号の主な記事
□ まちづくりを託せる人
□ え!知らなかった!!
□ 市民に知らせず「情報公開」が泣いている
■ 市民がつくった国立の歴史


まちづくりを託せる人
呼びかけ人代表  田村きみ

 今から半世紀近く前、立川市の基地から国立町へ流入するアメリ カ兵と、風俗営業の女性たちで、静かな住宅地の環境が損なわれは じめた頃、居住者の主婦や一橋大の学生、多くの住民等によって、 環境浄化の運動が起こり、1952年(昭和27年)に先達者たちの努 力によって、文教地区が認定されたことはご承知のことと存じます。 私はその環境浄化運動の真っ只中の年に、国立町へ転居してきまし た。以来住環境を重視する国立の歴史は、まちづくりの理念として 町から市へ移行しても、脈々と受け継がれてきました。
 ところが、1989年市民の理解を得ぬまま、駅周辺の用途地域指 定が規制緩和されたため、「新東京百景」にも選ばれ、日頃市民が 誇りにして親しんできた、四季折々の街路樹が美しい大学通りに、 高層建築が計画され、これを知った市民によって、建設を阻止する べく、景観条例制定への直接請求に8000名を超える署名を添えて 議会に提出しました。ところが、その努力は空しくも与党議員らに よって、否決されてしまいました。
 それ以後現状は、駅北口に、旭通りに、富士見通りにと高層ビル が建ち、目下大学通りに12階建が建設中で、景観が壊され始めてお ります。市民にやすらぎを与えるまちの景観は市民が共有する公共 の財産である筈で、国立の環境破壊に手を貸す市政に、私たちは我 慢がなりません。その他、教育・福祉・財政施策等についても市民 無視の問題が多々あります。
 こんな現佐伯市政に対して、今こそ私たちは、市民主権の精神を 復活させて、市民の声が届く国立らしい魅力あるまちづくり、個性 とうるおいのあるまちづくりを目指して、踏み出す正念場を迎えて います。
 今回有志が集まって「市民参加でまちをかえよう会」を発足させ ました。市民の自治権を甦らせるため、『上原公子』さんを市政の 担い手に推し立てて、広汎な市民と手を結びながら、環境・文化・ 福祉・産業の各分野で、市民の創意と活力を織り込める、国立らし いまちづくりを進めようと一致いたしました。
 上原公子さんは、91年から1期市議をされ、その足跡は私に深い 感銘を残されました。市議以前からもろもろの国立市の環境問題に かかわり、常に広汎な市民の立場で考察し、広い視野と的確な理念 のもとに運動してこられました。勉強家であり、実践家であり、綿 密な広い知性と、企画力を持ち、かつ温かい人情味のある人柄は、 まさに私たちが選ぶ国立市政の担い手として、最もふさわしい適材 であると確信しています。

田村きみさんプロフィール
1955〜75年、国立町議会議員・市議会議員。71〜88年、東京家 庭裁判所調停委員・参与。79〜87年、国立市教育委員。 障害児通園センター「あすなろ」運営委員長。国立市障害者センタ ー開設(1979年)から95年まで運営委員長を努める。現在、婦人 北の会会長。


“あれ〜 ちょっとちょっと どうなってるの?”と怒りはじめた 国立の市民達。

上原ひろ子と市民参加でまちをかえよう会では
なにが どこが おかしいのか、
どんな風にすればいいのか、
私達にできることは何か、
ワイワイ ガヤガヤ集まって
知ろう 話そう 動こうと
今まさに動きはじめました。
上原ひろ子と市民参加でまちをかえよう会は
あなたにこれからいろいろな情報を発信します。
まちを愛するからこそ動くのです。

あなたもぜひ国立の市政を変える担い手になって下さい!


え!知らなかった!!<怒りの噴火コーナー>

1. 28億円! 清算事業団用地買収問題
 国立市土地開発公社(理事長:卯月助役)が議会にもはからず、 “構想なき用地買収”に28億円を投入。いま利子補給の名目で暫 定活用する駐車・駐輪場の建設で近隣住民と紛争中。

2. 高層ビル乱立による景観破壊
 市民共有財産・大学通りの景観が違法な規制緩和によって侵害さ れたとして、500人を超える原告・会員が被告・国立市、東京都に 対し、「景観権裁判」を起こしている。

3. 南部地区・清掃工場問題
 清掃工場の老朽化により、稲城・狛江・府中三市が管理する多摩 川衛生組合への参入が画定。他市への依存で自区内でのリサイクル によるゴミ減量・総量抑制などの抜本的解決が遠のいた。

4. 滝乃川学園を都道が貫通
 日本で最古の知的障害者施設を貫通する都道は、1日28,000台の 車によって120人の園生の暮しと湧水と緑を破壊する。

5. 東二丁目10億円の遊休地
 バブル期に10億円で取得した土地がフェンスで囲まれたまま放置。 子どもの広場に開放を、の声もなぜか佐伯市政は拒否。

6. 七小を貫通する道路問題
 校庭を貫通する市道計画にPTAが反対していることを理由に、馳 駆20年以上たつプレハブの南学童保育所は建て替えないまま、今年 で15年が経過する。

7. 矢川団地の中に交差点
 東八道路と3・3・15号線の幹線道路計画が団地の中を交差するた め、騒音と排気ガスで環境が悪化する。


市民に知らせず「情報公開」が泣いている

 国立市が「情報公開条例」を制定して10年が経つが、条例は開か れた市政の実現に役立っているのだろうか。
 市長の諮問機関へ市民が傍聴を求めても、これを認めない佐伯市 政には“情報開示の精神”のかけらも見出せない。かつてある市長 は、重要な問題については市報で見解を述べている。これこそ“透 明な政治”の姿だろう。
 上の図・問題点マップの中で、あなたはどれだけのことを知って いるだろう。市民自治とは、市政にたずさわる者が市民の意見を聞 くことから始まる。問題を知らずに意見は吐きようがない。
 私達があすのまちづくりを託す「上原ひろ子」のキーワードは、 情報公開と市民参加で得ある。常に堂々と自らの意見を開示してや まない政治姿勢は、佐伯姿勢によって作られた市民不在の空洞に光 を当てるだろう。


市民がつくった国立の歴史
“歴史に学ばぬものは、未来にも盲目である”

<文教地区運動が語るもの>
 文教都市・国立は、1952年の「文教地区指定」によって今日の 環境が決定づけられた。戦後の混乱期、立川基地米軍の歓楽街の波 にさらされたのを契機に、「開発」か「環境」かをめぐって国立町 (当時)を二分した争いは、環境派の勝利に終わるが、それは理想 の学園都市への選択であった。
 この地区指定後、理想の実現に向け組織化された「文教地区協会」 は、市民・学校・行政が一体となったまちづくりを進め、市民自治 の先駆的事例として国立史にさん然と輝いている。

(February 12, 1999)

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