まちづくりの目標:第一次基本計画案

Type: 阿部朋子
Editor: サエキアキラ

以下は、市報くにたち平成8年3月20日号に掲載された 第一次基本計画案(要旨)全文です。 市の未来を考える際の資料として、ご利用ください。

緑と文化とふれあい 〜いきいきとした文化都市の創造をめざして〜
第一次基本計画案(要旨)平成8年度〜12年度

市では、昨年12月に定めた「国立市第三期基本構想」に基づき、計画期間を平成 8年度から5カ年とする「第一次基本計画案」を策定し、3月8日に開催された市議 会全員協議会に報告しました。
基本計画は、基本構想に示された“まちづくりの目標”を具体的に実現していくため に、各施策を総合的に計画化したものです。
ここでは、第一次基本計画案の概要について、皆さんにお知らせします。

施策の体系
<施策別計画>
1. 安全でゆとりと潤いのあるまち(生活環境・都市景観)
2. ふれあいといきあいのあるまち(地域保健福祉・コミュニティ)
3. 人をはぐくみ、文化を創造するまち(教育・文化)
4. 個性と活気にあふれた発展するまち(都市整備・産業)
<計画推進のために>
1. 計画推進のために
(1) 市民参加・協働の推進
(2) 情報の公開と個人情報保護
2. 自治体経営の確立
(1) 行政運営
(2) 財政運営
(3) 財政計画

基本計画の位置付け
国立市の行政は、次に示す3段階の総合計画に基づいて運営されています。
1. 市の将来的な目標とこれを達成するための基本施策を設定した基本構想(計画期 間10年、第三期=平成8年度〜17年度)
2. 基本構想を具体化するために必要な施策を総合的に組み立てた基本計画(計画期 間5年、第一次=平成8年度〜12年度、第二次=平成13年度〜17年度)
3. 基本計画の施策内容を年度別計画により具体化させた実施計画(計画期間3年、 毎年度見直し)
今回の第一次基本計画案は、第三期基本構想で掲げたまちづくりの目標を、具体化 するための施策の体系と、平成8年度から5カ年の事業計画、財政計画などで構成さ れています。

<計画行政の流れ>
基本構想10年間→基本計画5年間→実施計画3年間→各年度の予算に反映→市民サ ービス

計画の目標と重点施策
<計画の目標>
―いきいきとした文化都市の創造をめざしてー
第三期基本構想で示したまちづくりの目標である“2005年の国立”「緑豊かでふ れあいのあるまち」「誇りをもって次世代へ引き継ぐまち」「人が交わり文化を創造 するまち」を本計画の目標とします。
<計画の重点施策>
計画の目標を実現するための重点施策は次のとおりです。
◇ 高齢者が安心して暮らし活躍するまちづくり
・ いきいきとした日常生活のために
・ 安心して暮らせるために
・ 住み慣れた地域で暮らせるために
◇ リサイクル型都市づくり
・ リサイクルの促進
・ ごみの減量
・ 自然環境の保全
◇ 都市基盤整備と質の高いまちづくり
・ 市街地の再整備
・ 南部地域の都市基盤整備
・ 基幹道路の整備・促進
・ 大規模跡地等の計画的な土地利用の誘導

施策の体系に沿って、要旨と主要計画事業をお知らせします。

1. 安全でゆとりと潤いのあるまち
安全でゆとりと潤いのあるまちをめざすためには、良好な生活環境づくりや市民 の理解と協力を得ながら、都市景観に配慮したまちづくりが不可欠です。
そのため、高齢者や障害を持つ人々が安心して暮らせるまちづくりを心がけると ともに、国立市がはぐくんできた自然環境や歴史的、文化的風土を踏まえ、まちづく りを進めていきます。
<主要計画事業>
・ 防災行政無線整備
・ 耐震性防火貯水槽設置
・ 自主防災組織の育成
・ 歩行環境の整備
・ 上水道の震災対策として石綿管取替・ソケット型鋳鉄管取替
・ 矢川親水整備
・ 多摩川の自然に親しむ場の整備
・ 清掃工場の建設
・ 発砲スチロール溶融機・ペットボトル減容機の設置
・ 都市景観形成条例制定

2. ふれあいといきがいのあるまち
だれもが住み慣れた地域で、健康でいきがいをもち、快適な生活を営むことは市民 共通の願いです。
この実現のためには、市民相互の心のふれあい、おもいやりによる理解や、地域・ 行政などが一体となってともに支えあう地域福祉社会の実現が不可欠です。
そのために、健康づくりや在宅保健福祉サービス、コミュニティ活動などの施策を 推進していきます。
<主要計画事業>
・ 母子保健サービスの実施
・ 高齢者入所施設の充実
・ 高齢者デイホームの充実
・高齢者入浴サービスの充実
・ 総合保育計画の策定
・ 福祉のまちづくりモデル地区整備
・ シルバーピアの整備
・ 市民プラザの整備
・ 地域集会所の整備

3.人をはぐくみ、文化を創造するまち
国立市は、教育の基本理念ともいえる「人間を大切にする」ことを基本とし、緑豊 かな文教都市づくりを進めています。
このため、市民のだれもがいつでも、どこでも、自由に学習できるように家庭、学 校、社会教育機関相互の連携や、国立の歴史と風土に根ざした個性的で魅力ある地域 文化を創造するための環境づくり、さらには、青少年の健全育成、国際交流、男女平 等観に基づく女性問題関係施策を推進していきます。
<主要計画事業>
・ 小・中学校校舎整備
・ コンピューター機器及びソフトの充実・整備
・ 学校図書館の充実
・ 公民館成人学習事業の充実
・ 流域下水道処理場上部整備
・ 石像物調査事業
・ 第2時男女平等推進計画の策定
・ ウィメンズ・クリニック事業の調査・検討

4. 個性と活気にあふれた発展するまち
国立市は、今日までの都市基盤整備により良好なまちなみが形成され、文教都市 にふさわしい美しいまちとして発展してきました。
しかし、南部地域では都市基盤の整備が立ち遅れている地域も多く、既成市街地 においても再開発などが必要となっている地域があり、土地の有効利用が望まれてい ます。
今後はこれらの地域のそれぞれの特性を活かしながら、生活環境の向上はもとよ り、時代が要請する「快適・安全・利便性」の達成と産業活動が発展し、全体として 個性豊かで、活気あふれるまちづくりを進めていきます。
<主要計画事業>
・ 都市計画に関する基本的な方針策定
・ 土地区画整理事業(寺之下、青柳・石田、四軒在家、城山南、矢川駅南口地区等)
・ 緑川改修事業
・ 国立駅南口周辺地区まちづくり事業
・ 新駅周辺地区土地区画整理事業
・ 中央線連続立体交差事業
・ 都市計画道路整備
・ 商店街活性化事業補助
・ 農業振興計画の策定

計画推進のために
「人間を大切にする」まち国立は、すべての市民が安心して健康で潤いのある生活を 営むことができるまちです。
経済低成長下の厳しい財政状況の中で、この実現に向け、都市と生活の環境を整え、 文化をはぐくみ、福祉を支える地域社会を市民と一体となって創造することが必要と なっています。
このため、市民の自発的な活動と一人ひとりの主体的な市政への参加・協働を基本と した、時代の変化に柔軟に対応できる行政運営が求められています。
これらの課題を解決していくために、市政は広報・情報公開を図るなど、市民理解を 深め、一体となったまちづくりを進めるとともに、長期的展望に立って、施策相互の 整合性を図り、計画的・効率的な行政運営に努めていきます。
<主要計画事業>
・ ニューメディア活用の検討
・ コミュニティ情報システムの研究
・ OA化の推進
・ 2005年の国立創造事業

(December 9, 1996)

[Top]