重松さんからの電子メールの転載です。 (佐伯)


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│ 皆さん、こんにちは。国立市議会議員の重松朋宏です。      │
│ メール版市政レポートをお届けします。前回レポートでは、皆さんの│
│アドレスが見えるような送信をしてしまい、大変、ご迷惑をおかけしま│
│した。改めてお詫びし、個人情報についてのチェックを徹底します。 │
│ このレポートは、議会や市政の動きをお知らせするため、一方的に送│
│らせていただいています。今後、レポートを不要な方は、お手数ですが│
│本文に「市政レポート不要」と記してご返信下さい。        │
│ 記事内容(転載・引用)は、著作権を放棄します。皆さんの判断でご│
│自由にお使いください。                     │
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   重松朋宏・市政レポート  No.007  2001/09/20(木)
 【教育委員会人事に介入する自公民の抵抗で空転する9月議会の行方】
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       会派:新しい風(関口博議員との2人会派)
   総務文教常任委員/議会報編集委員/青少年問題協議会委員
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   〒186国立市東1-19-9-B22  tel/fax:042-577-6759
 handyphone:090-4937-4596  mailto:tomotomo@jca.apc.org
 会派控室:国立市富士見台2-47-1 tel:042-576-2111(内線286)
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 9月議会の日程と議案、一般質問内容をお知らせしようと思っていたら、
議会冒頭より空転し、先行きの見えないまま毎日、忙しくなって、レポート
の配信が遅れました。いよいよ明日が、現行スケジュールで残された最後の
本会議の日です。議会の行方にご注目下さい。
 
 
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┃■ 全議案を人質にとって教育委員人事に介入する自公民3会派   ┃
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 9月3日に開会した9月定例議会は、冒頭に高島議員(自民)より休憩動議
が出され、以来、再開できないまま2週間が経ちました。
 発端となったのは、11月で任期が切れる教育委員2人(5人中)の人事案
件。本会議前の議会運営委員会で、「教育委員人事案は調整中なので、最終
本会議前の18日議運までに提案する」と確認していたにも関わらず、「教
育委員人事が提案されないと、関連する教育関係の条例案・予算案が審議で
きない」という理由で、自民党・公明党・民主クラブの3会派がストップを
かけたのです。
 人事案を議会冒頭に提案しなかったことは、前・佐伯市政を含め、これま
でも何回かあります。また、「人事案が提案されないと審議できない」とい
う学校教育改革構想についても、教育委員が直接関与するのは、来年の秋以
降のこと、委員名が決まらないと審議できない内容ではありません。

 議会の過半数より1議席多い自公民3会派は、数の力を頼りにして、自分達
の人事案を丸ごと市長案に飲ませようと、全国にも国立議会史にも例のない
ような異常なやり方で議会を引っ掻き回しています。しかもその上で、「多
数派である自公民が気に入らない議案を強行提案し、取り下げようとしない
市長が悪い」」「自公民に都合のいい調停案を出してこない議長が悪い」と、
お門違いな批判を繰り広げています。いつまで「無理が通れば道理が引っ込
む」状態が続くのでしょうか。
 
            【この間の流れ】
        3日、自公民「早く人事案を提案せよ」
                ↓
 市長、「委員会審議前の10日に提案できるよう努力する」(妥協策提案)
                ↓
             自公民、受け入れず
                ↓
     市長、「10日に提案する」(さらなる妥協策提案)
                ↓
        自公民、「即時に出せ」(受け入れず)
                ↓
  市長、6日に候補者名を明らかにし、7日に議案として正式提案
       (議案審議の障壁となる問題はクリアーされた)
                ↓
   自公民、人事案の内容が気に入らないと「人事案を取り下げろ」
     (自民党、関連する教育の議案まで取り下げを主張)
 
 
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┃■ 上原市長の改革に抵抗し、既得権にしがみつく守旧派・自公民  ┃
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 市長部局から独立している教育行政は、5人の教育委員(うち1人は教育長)
の合議制によって決められていきます。市長といえども教育行政に直接、口
を出すことはできませんが、教育に関する唯一の市長権限が、予算を最終決
定することと、教育委員を選任することです。
 戦後直後は選挙で選ばれていた教育委員は、現在、法律上、市長が候補者
を決め、議会での信任投票を経て、任命することになっています。
 
 ところが、79年から20年続いてきた保守市政のもとで、5人のうち3人を
与党会派で山分けする慣習ができてしまいました。これは、過去の行政実例
・判例からみても、法律違反の異常な事態です。自民党・公明党・民主クラ
ブの三会派は「20年来の慣習(ルール)」と主張しますが、関係者に問い合
わせたところ、せいぜい佐伯市政の後半(90年代半ば)に定着したもののよ
うです。「会派枠というルール」こそ「歴史の捏造」の可能性があります。
 
●現在、「会派枠」といわれる委員は、前市政時代に任命された3人
 「自民枠」…谷保の旧家出身の伊東和美委員(今年11月に任期切れ)
 「民主枠」…元校長の重野和夫委員(今年11月に任期切れ)
 「公明枠」…国際交流などに熱心な福永ゆり委員(来年3月に任期切れ)
 
 2年前の市長選挙で「教育委員の市民公募」を公約に入れていた上原市長は、
今年3月議会で私の質問に対して「透明性の高い選任方法の研究を始める」と
回答しました。これに野党が6月議会でケチをつけ、今年中の制度導入は事実
上、困難になりました。
 
 11月に任期がきれる2人の選任については、市長は8月上旬に与野党差別せ
ず候補者にふさわしい人選について打診していましたが、8月下旬に、急に自
公民3会派が既得権擁護の一点で一致し、「現職委員(自民・民主枠)の再任
セット案以外は認められない」と強硬に主張し始めました。
 
 市長は自らの判断で2人の人事案を表明しました。1人は障害者の自立生活
運動を長く続けてきた安積遊歩(純子)さん。もう1人は現職の重野委員。
 重野委員を推していた風間議員(民主クラブ)は、打診の段階では再任案
を喜んでいましたが、翌日には自民党と結託して、再び「現職2人セットで
再任」を主張し始めます。候補者提案を了承していた重野委員は、自分を推
していた民主クラブからも「議案を取り下げろ」と言われる羽目になってい
ます。
 
 
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┃■ 尾を引く「教科書問題」〜自公民は扶桑社教科書支持委員を要求〜┃
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 今年の夏、教科書の採択をめぐって、教育委員の責任の大きさが再認識さ
れました。侵略戦争・植民地支配を居直り、人権・民主主義・地方自治を軽
視する扶桑社教科書を採択させようと、全国的な政治的企てが繰り広げられ
ました。国立市でも数年前より右派グループの活動が活発化し、扶桑社教科
書採択の「重点地区」になっていました。これに危機感を持った市民の動き
が急速に広がり、わずか2週間で1万人の署名が集まり、広範な市民からアピ
ールが寄せられ、扶桑社教科書採択は阻止されました。
 
 「自民枠」の伊東和美委員は、最後まで扶桑社教科書採択を強硬に主張し
た人です。上原市長は、多文化共生と平和の観点から、人権軽視の教科書を
推す人を(3年後の教科書採択に関わる)教育委員には任命できない、とい
う基本方針を表明していました。
 
 右派勢力の間では、「アカ市長が2人の教育委員のクビを切るつもりだ」
という噂が流れ、市長に対する反発と抵抗も凄まじいものになっています。
昨日(19日)朝には、市役所に「市長を何としても襲ってやる」という脅
迫電話が複数かかってきました。
 
 
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┃■ 「コップの中の嵐」にしないために              ┃
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 議会が空転する間、何度か非公式折衝や会派代表者会議、議会運営委員会
が開かれましたが、自公民3会派は市長に妥協を迫っておいて、自分達は少
しも妥協しようとせず、「議会が開ける状況にない」の一点張りを続けてい
ます。
 正副議長や柏木・与党幹事長は連日、ゴリ押しを続ける自公民3会派への
対応に追われています。自公民側は、それぞれバラバラに動き、会派内でも
意見統一がなされていないこともあるので、対応は大変です。私たち与党4
会派は、ほぼ毎日、野党対応のための作戦会議を開き、その合間に共同チラ
シの作成・配布・街頭宣伝が入り、忙しい日々を送っています。
 といっても、今の議会の異常事態はあまりにレベルが低くて、忙しくても
全然充実感はありません。空転する間、時間があるようで、他のことに手が
つかず、とても消耗します。議員は議場で正々堂々と意見を闘わせてナンボ
のもんです。「水面下の折衝」というのは、一歩間違えると密室政治に陥り
ます。職員の一部には「市長と与党はうまく調整つけてほしい」との声があ
りますが、スジの通らない政治的駆け引きは絶対にできません。
 唯一のストレス発散は街頭宣伝。街宣カーの上にも乗りました。同じ会派
(新しい風)の関口議員も「街宣カーの上は気持ちいいよ」と御満悦。池田
議員(社民)や高原議員(共産)の演説は気合い入りまくりです。
 
 議席数で少数である与党(与党9・野党10・中間派3)としては、政党・
会派間の政治的駆け引きだけをやっていては、、自公民のゴリ押しには負け
てしまいます。説得力ある論理で多くの市民と直接つながることで、私たち
は初めて「多数」になれます。
 教育委員人事についていえば、このまま私たちがスジを曲げないでいても
議会内の数の上では勝てる見込みは全くありません。「議会の密室政治で大
事な教育委員を決めるな」「市民にガラス張りの教育委員選任を」との市民
の声が広がり、無視できないものとなれば、自民・公明・民主クラブの各会
派もゴリ押しができなくなります。市民の「自治の力」も問われています。
 
 
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┃■ 20日(木)の本会議に傍聴・注目を!            ┃
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 いよいよ9月議会スケジュールは、本日20日のみを残すだけとなりました。
議案は全く審議されていませんが、20日の審議スケジュールをどうするか、
時間延長・会期延長ができるかどうかは、多数派である自公民3会派の思い
通りです。少数派である私たちは、議会ルールに則って審議を進めていくべ
きという立場から、あらゆるケースに対応できるように準備しています。
 市民の目がなければ、やりたい放題されてしまいます。台風が近づいてい
ますが、ぜひ、傍聴にいらして下さい。また、今後の議会の動きにご注目下
さい。

 朝10時〜、市役所(西東京バス・市役所前下車3分)2階西側・本会議場
にて。空転した場合、その都度、状況を御説明します。会議時間は17時ま
でとなっていますが、24時まで延長される可能性もあります。当日の連絡
先は、上記・私の携帯電話か、市役所議会事務局まで。


(February 26, 2003/AS)


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