重松さんからの電子メールの転載です。 (佐伯)


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│ 皆さん、ごぶさたしています。国立市議会議員の重松朋宏です。  │
│ 一方的なメールにて失礼します。半年以上、休刊していましたが、よ│
│うやく落ち着いたので、メール版市政レポートを再開します。    │
│ これまで私に連絡を取ってきた方々や知人に、議会や市政の動きやト│
│ピックをお知らせするものです。「いらない」という方は、お手数です│
│が、本文に「市政レポートはいりません」とだけ書いた返信メールを下│
│さい。                             │
│ なお、今号に限り、内容上、他市の方々にも知っていただきたいので│
│いくつかのメーリングリストや地方議員、個人にも送っております。 │
│ 記事内容(転載・引用)については、皆さんの判断でご自由にお使い│
│ください。                           │
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   重松朋宏・市政レポート  No.006  2001/08/23(木)
 【上原市政はプライバシーの危機にどう対処する? 住基ネット問題】
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       会派:新しい風(関口博議員との2人会派)
    総務文教委員/青少年問題協議会委員/議会報編集委員
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   〒186国立市東1-19-9-B22  tel/fax:042-577-6759
          mailto:tomotomo@jca.apc.org
 会派控室:国立市富士見台2-47-1 tel:042-576-2111(内線286)
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 残暑お見舞い申し上げます。7月は猛暑、8月に入ったとたん、涼しくなり
ました。7月は国立市の教科書問題で熱く盛り上がりましたが、東京都・愛
媛県(私の実家があります)と相次いで「つくる会」右派教科書採択を決め、
「怒り」で熱くなっております。
 ・・・と、一人で熱くなってるわけにもいかず、9月議会はすぐそこです。
一般質問は、教科書問題や教育委員会改革について考えていますが、「この
件をぜひきいてほしい」というネタがありましたら、連絡ください。

 
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┃■ 講演学習会『住民基本台帳ネットワークの先にある社会』    ┃
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 住民基本台帳のネットワーク化と、最新テクノロジーと連動することによ
り、いつのまにかできあがっている超・管理社会の全貌について、新進気鋭
のジャーナリスト、斉藤貴男さんにお話をうかがいます。

【講演会】『住民基本台帳ネットワークの先にある社会
                    〜IT社会ですすむ市民管理〜』
【日 時】2001年8月25日(土)14時〜17時
【場 所】国立公民館
【講 師】斉藤貴男さん
     (ジャーナリスト/『カルト資本主義』文藝春秋、『プライバシ
      ー・クライシス』文春新書、『機会不平等』文藝春秋、など)
【資料代】300円
【主 催】辻つじ反戦ながし
     (毎月第4日曜日、大学通りの一橋大前で路上アピールやっている
      市民団体)
【連絡先】090-4937-4596(重松)
 
 
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┃■ 住民基本台帳のネットワーク化とは?             ┃
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 各自治体は、氏名や住所、生年月日などの住民情報を記した「住民基本台
帳」を持っており、これを使って選挙人名簿の作成や国民健康保険の給付な
どの行政事務を行っています。
 1999年8月、新ガイドライン=戦争協力法、盗聴・団体取締法と同時期に
国会で強行採決された改正「住民基本台帳法」は、全国の住民基本台帳をオ
ンラインで結び、全ての国民に11ケタの番号をつけ、国の外郭団体のもとに
管理するというものです。さらに「氏名・性別・生年月日・その他」の4情
報を記録したカードが希望者に配付されます。
 来年夏までに各自治体はオンライン化の準備を終え、一年間の試験運用の
後、再来年の夏から供用することになっています。法律は決まりましたが、
細かな政省令の制定・公表は遅れ、とにかくネットワーク化先にありき、と
いう実態を露呈しています。各自治体担当者は仕事を抱え込んで大変です。
 
 
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃■ 国民総背番号制? プライバシーの危機!           ┃
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 今でも住民基本台帳データが流出したり、警察や公安調査庁が外国人登録
原票を要求するなどの事件が後を絶ちませんが、ネットワーク化により、不
正利用のリスクは格段に拡大します。
 さらに納税者番号制や介護保険など、あらゆる省庁がこの住民基本台帳シ
ステムの参入を狙い、番号制導入とICカード化を目論んでいます。一つの番
号であらゆる個人情報を統合するという「国民総背番号制」を、総務省は今
は否定していますが、現実には各省庁とも「総背番号制」を前提とした動き
をしています。「国民総背番号制」となった場合、国の国民管理は徹底し、
情報漏洩・不正利用のリスクもはかりしれないものになります。
 国の個人情報収集・利用の乱用に制限をかけるため、住基法改正のとき、
個人情報保護のための法律を整備するという付帯決議がつけられました。と
ころが国会に提出された「個人情報保護法」は、その名目と裏腹に行政の乱
用を縛るものではなく、むしろ市民の報道・表現の自由を侵害しかねないも
のとなっており、ジャーナリストやマスコミの反対の声があがっています。
 ICカードには新聞800ページ分の文字情報が収まる容量があります。既に
テレカ、クレジットカード、キャッシュカード、定期券等、官民を問わずあ
らゆる分野にICカードの導入が進行していますが、生産性・効率性だけを求
めていけば、これらのカードを全て一枚に集約し、そこに記された膨大な個
人情報の相互利用へと突き進むことになります。
 
 
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃■ 市民のメリットは、ほとんど皆無!              ┃
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 国が住基ネット化のメリットとして上げている項目は、実際には「市民に
とってのメリット」とはいえません。国の狙いは別のところにあるのです。

●住民票の写しを全国どこでも受け取ることができる!?
 有償のICカードを持ってないと、このサービスは受けられません。また、
この写しには本籍地の記載がないので、パスポートや免許証の取得申請には
使えません。そもそも住民票の写しを広域交付するだけなら、わざわざネッ
ト化しなくても、ファックスの活用など、各自治体の工夫で可能なはず。実
際、身近な郵便局での住民票交付が開始されようとしています。

●引っ越しのとき、市役所に一回行けばすむ!?
 これも有償のICカードを持ってないと、サービスは受けられません。しか
も郵送で転出届けをする必要があります。現在でも郵送での届けは可能なの
で、このメリットはほぼ皆無。むしろ、それまで使っていたICカードを返却
し、新しくICカードをつくり直す必要があるため、手間・費用ともに負担増
に。

●国の事務手続きに住民票の写しを添付しないですむ?
 ほとんど唯一の「メリット」ですが、そもそも恩給の支給など、住民票を
取りに行くことなど、一生に何度も必要になることはありません。毎年国民
一人当り200円の税金をかけて必要なことといえるでしょうか?

●ICカードは便利!?
 希望者に配付されるICカードにいろんな機能を付加することで、住民サー
ビスの向上に役立てるといいますが、あらゆる省庁・民間企業がここに狙い
をつけています。一枚のカードで何でもできる。一見、便利なようでいて、
カードがないと何もできず、あらゆる情報が一枚のカードに集積してしまう
という、大きなリスクをはらみます。そのため、上原・国立市長はICカード
を利用した独自サービスには否定的です。
 また、国がうたう「メリット」のほとんどは、このICカード所有者のみを
対象としたものですが、一枚千円程度といわれるカード発行コストは、利用
者・市民が負担することになります。

●住民基本台帳事務の簡素化!?
 これは市民サービスとは全く関係ありません。しかも今でも各自治体は住
民基本台帳を個別にコンピュータ入力して使っていますので、自治体にとっ
ても事務の効率化がはかれるわけではありません。むしろネット化のために
新たに入力し直さなければならず、仕事は増えています。
 
 
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃■ 税金の無駄! ささやかれる利権               ┃
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 ネット化には初期投資で320億円、ランニングコストで200億円がかかる
といわれています! この試算もしょっちゅう変わり、予想以上に経費がか
かるのではないかと見られています。国立市では今年だけで2280万円にな
りますが、国の負担はありません。
 「全国どこででも住民票を取れる」という程度のサービスにこれだけの経
費をかけるのは、狙いが別にあるとしか考えられません。
 自治体コンピュータ・システムは大手4社の寡占状態。今後3、4年で数兆
円にのぼるといわれる電子行政市場に企業が群がり、「第二の公共事業」と
してIT予算がばらまかれようとしています。
 

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃■ 地方自治体・政党・市民から反対の声             ┃
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 杉並区長は昨年6月、住基ネットへの異義申し立てを表明、マスコミ等で
積極的に発言し、予算化を見送っています。これに続いて、国分寺や三鷹な
どの市長も議会で懸念を表明、上原ひろ子・国立市長も「プライバシーの危
機」「財政負担が大きく、ワリにあわない」ことをハッキリと言明しました。
全国市長会関東支部や12政令指定都市、三鷹市長、全国市議会議長会地方行
政委員会などは、独自に国に要望書を出しています。
 国立市議会では、新しい風・こぶしの木・公明党・生活者ネットなど、与
野党を超えて超党派で住基ネットの問題点が指摘されています。国会では、
民主党が改正住基法廃止法案を提出、5月には国会議員有志で「国民総背番
号に反対し住基ネットの見直しを求める会」が発足しました。
 住基ネット化の前提として政府が出してきた個人情報保護法案が、当初の
目的とは全く正反対に行政に対してはアマく、ジャーナリストの表現の自由
に介入する余地があるため、市民の反対運動も活発化しています。9月2日に
は日比谷野外音楽堂で「個人情報保護法案をぶっ飛ばせ!2001人集会」が
開催されます。国立市では市民団体が6月議会に陳情を出しました。

→「BUSTERS−個人情報保護法拒否!共同アピールの会」
 http://www.geocities.co.jp/Colosseum-Acropolis/7376/hogoho/
 

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┃■ 市民アンケートに回答を! (8月31日まで)        ┃
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 私や関口議員の要望に応え、三多摩では国分寺市(6/15)に続いて、市
報8月5日号で住基ネットを特集しました。住基ネットのメリット・デメリッ
トを紹介し、プライバシー侵害の懸念についての市長コメントが載っていま
す。市役所・図書館・公民館等にも置いてあります。連絡いただければFAX
で送ります。
 この住基ネット特集では、杉並区に続いて、全国で二番目に市民アンケー
トを行うことになりました。杉並区(2月)では300件近くが回収され、う
ち8割は住基ネットを疑問視する内容でした。
 公共施設(市役所・公民館・南北プラザ)のボックス回収か、郵送で送っ
てください。電子メール(kunicity@m-net.ne.jp)やFAX(042-576-0
264)でも大丈夫なはずです。期限は8月いっぱいですが、腰が重い職員と
市長をつき動かすため、せめて3ケタは集めたいと思います。一言(100字
程度)で構いませんから、ぜひ、意見をよせてください!

 ・「『住基ネット』をご存知でしたか(知っていた・知らなかった)」
 ・「ご意見をご自由にお書きください」
 ・「住所(東・中・西・富士見台・北・谷保・青柳・石田・泉)」
 ・「年代(10代・20代・30代・40代・50代・60代・70代以上)」
 ・「性別(男・女)」

→「杉並区・広報すぎなみ(01/02/01)」
 http://210.239.53.213/library/file/sg1542.pdf
 PDFファイルです(ネット上で無償でダウンロードできます)


(February 26, 2003/AS)


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