緊急賛同要請!国立市教科書採択

editor: 佐伯 章

2001.7.15 重松市議がメールで配布された 「緊急賛同要請!国立市教科書採択」文書です。
そのまま転載しています。

【転載歓迎】

 国立市の重松と申します。緊急のお願いです! 複数のメーリングリストと個人にBCCで送っています。重なって送られてきた方、ごめんなさい。

 東京都国立市で「新しい歴史教科書をつくる会」が編纂した中学校歴史・公民教科書が採択される可能性が高まっています。この教科書の問題性、また、この教科書を採択させようと動いているこの国の草の根右翼勢力の問題性については、あえて触れなくてもご存知だと思います。国立市でも一昨年来、「日の丸・君が代」問題とあわせて右派メディアのキャンペーンと様々な右翼団体の活動が活発化してきました。

 教科書問題でキャンペーン活動を続けてきた右派勢力は先日10日の教育委員会で学習指導要領の「愛国心養成」目標に忠実な教科書採択を求める1000人以上の署名を提出し、一部教育委員に「この要望書の重みを受け止める」という発言をひきだしています。
 国立市小中学校教科書採択は7月16日(月)の教育委員懇談会を経て、7月16日(月)の教育委員懇談会を経て、7月23・24日に最終決定されます。扶桑社版歴史・公民教科書を国立の公教育で使われることのないように、右派の倍する市民の声を早急に届ける必要があります。下記アピールにぜひ、ご賛同下さい。第1回の集約は、7月15日(日)です。その後も最終教育委員会に向けて集約し、教育委員会に提出します。緊急のお願いになりますが、よろしくお願いします。

 また、これとは別に「学者・研究者・文化人」を対象にした同趣旨のアピール賛同も集めています。大学関係者や在野の研究者の方で、賛同してもいいという方がいらっしゃいましたら、私宛にその旨お送り下さい。折り返し、アピール文を送信させていただきます。

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重松朋宏
 tel/fax:042-577-6759
 e-mail: tomotomo@jca.apc.org
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国立市教育委員会
 教育委員長 重野和夫 殿
 教育長   石井昌浩 殿

                要 望 書
私たちは、以下のアピールに賛同し、新しい歴史教科書をつくる会が編集した扶桑社版の中学歴史・公民教科書の採択に反対いたします。

取扱団体:国立市の教科書採択制度を考える会
     tomotomo@jca.apc.org(重松)

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【アピール】
憲法否定・国際孤立の道へ踏み込む教科書を子どもたちに渡してはならない

「新しい歴史教科書をつくる会」による中学歴史・公民分野教科書が検定に合格しました。

■検定による修正でも変わらない「あぶない」本質
 アジア太平洋戦争を「大東亜戦争」とよぴ、アジア解放のために役立った戦争として美化し肯定する立場がつらぬかれています。神話をあたかも史実であるかのように描いた記述もほとんど変化がありません。アジア諸国の歴史を侮蔑的に描き、国際的に通用しない偏狭な日本国家への誇りを植えつけようとしています。大日本帝国憲法や教育勅語を礼讃する記述は変わらず、大日本帝国憲法のもとでいかに人権が抑圧されたかについての記述はみられません。さらに、日本国憲法第9条「改正」論を基調に、国防の義務、国家への奉仕を相変わらず強調しています。
 検定による一部修正でも、この教科書の全体をつらぬく基本的な考え方は変わっていません。さらに「つくる会」の危険なねらいは、このような修正によって消え去るものではありません。

■憲法を敵視し「戦争ができる国」をめざす教科書
 戦争への痛切な反省から生まれた日本国憲法の理念をこのように敵視する教科書が公教育の場に登場するのは戦後はじめてのことであり、公教育として許されないことです。日本を戦争参加にみちびく新ガイドライン関連法が成立し、改憲をめざすうごきが本格化するなかで、このような教科書が登場したことは、子ども・国民をこれからの戦争に動員することをねらうものです。

■国際的な約束に反する教科書を検定合格させた政府の責任を逸れることはできません。
 そもそも日本国憲法は、日本がふたたぴ侵略戦争はしないという国際的宣言であり、国際公約でもあります。また、1982年に教科書検定基準に近隣諸国条項が付け加えられ、1995年の村山首相談話、1998年の日韓共同宣言でも、重ねてアジア諸国に与えた被害にたいするお詫ぴと反省が表明されました。これらの言明は日本政府の明確な国際公約であり、政府は国際公約を守る当然の義務があります。このような国際公約に違反し、日本国憲法を否定する教科書が出現したことについて、日本政府の責任は重大です。

■こんな教科書を子どもの教科書として使用することに反対です。
 私たちは、日本国憲法を否定し国際孤立の道へ踏み込む危険な教科書が、子どもたちの手に渡されることを許すことはできません。危険な教科書が検定に合格したいま、各地域でこの教科書を採択させないよう声をあげ、関係機関への働きかけを強めましょう。それによって、日本国民の良識を世界にむかって示そうではありませんか。

■アジアの人々との共生に向けて、共通の歴史認識がもてるような教科書を!
 既存の教科書の侵略加害と植民地支配に関する記述が大きく後退した問題について、その真相と責任を明らかにし、アジア諸国と共通の歴史認識をもてるよう、教科書記述の充実改善を求め、実現させようではありませんか。

2001年4月3日

「教科書に真実と自由を」連絡会/子どもと教科書全国ネット21
社会科教科善懇談会世話人会/「戦争と女性への暴カ」日本ネットワーク
全国民主主義教育研究会/高嶋教科書訴訟を支援する会/地理教育研究会
日本出版労働組合達合会/日本の戦争責任資料センター/ピースボート
歴史教育者協議会/歴史の事実を視つめる会

(July 17, 2001)


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