職員と野球

words: 重松朋宏

実際、昔は職員野球は強かったそうです。その頃からいる職員は、仕事が終わったら毎日のように夜遅くまで星空の下で練習をした、と懐かしそうに語ります。

かといって、「仕事をしないで練習ばかりしてた」かどうかはわかりません。ただ、今と比べるとかなりいいかげんだったのは確かだと思います。仕事収めの日や仕事始めの日は昼間から酒を飲んでたということをきいたことがあります。

ただ、それは革新市政だから堕落していたというよりも、そういう「時代」だったのではないかと思います。当時は高度経済成長下、公務員人気は低かったので、谷保の保守層の次男・三男をコネでどんどん入れていった、というような噂をきいたことがあります。一方では「国立市役所に憧れて、遠くから高倍率の受験をしにきた」という職員もいますので、どこまで本当かわかりませんが。

もちろん、少数与党体制のもと、議案を通すために保守層(議員・職員)との馴れ合いの関係ができた、というような見方もあります。

「野球」といえば、国立市ではちょっと特別な意味を持っているみたいです。「リトルリーグ」や「野球連盟」も票田の一つだそうで、子どもをリトルリーグに入れている親のところには、選挙が近づくと関係する議員の投票依頼があるという話をきいたことがあります。実際、体育関係の団体はそれぞれ議員とも関係が深いみたいですね。連盟理事の議員もいますし、選挙になるといくつかの連盟理事長が議員の推薦人に名前を連ねます。

また、つい最近まで市役所内では「谷保人事」「○○(ある宗教団体名)人事」と並んで「野球人事」という言葉があって、それぞれこの3つに関係する職員は人事面で優遇されたとか。これも噂です。

議員も野球をします。こちらは全国大会までありますが、自治体によっては公費を使うところもあり、住民から返還請求が出されるなど、全国的に批判が高まっています。国立市議会では自民党系の人が熱心ですが、共産党の人などは付き合いでしぶしぶ出てるみたいです。私は別に野球は嫌いではないのですが、いつも予定が会わないため、参加したことはありません。時代の流れで廃部の声も出ています。さすがに公費は出ませんが、議会事務局職員が対抗野球大会にボランティアで狩り出されたりするのは、あまりいいことではないでしょう。

※このレポートは、もとは重松さんの掲示板 RADICALS BBS において、住民エゴは嫌いさんの質問に答える形で掲載されたものです。 ここでは重松さんの許可を得て転載しています。

(October 6, 2000)


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