ライブ・バー「はっぽん」

words & photo: 武澤一隆


「はっぽん」は24〜5人で満員になる小さなライブハウスで ある。ライブハウスといってもロックなどは演奏されること はなく、そこで演奏されるのはカントリー、シャンソン、 JAZZであり、おちついた大人のムードを漂わせている。 ライブのある日はほぼ満席となり、それぞれ好みのお酒を呑 みながら楽しくワイワイと、ときにはしんみりと夜を楽んで いる。またライブのない日はおいしい料理とお酒で、たわい のないお喋りに花を咲かせることになる。


「はっぽん」という名の由来は俳優の山谷初男氏が始めたこ とに由来する。現在は"だいちゃん"こと大島氏がマスターを つとめている。だいちゃんはカントリーを愛するミュージシ ャンで、海外にも友人が多い。その友人のなかの一人であり 有名な米国の女性歌手ラトルスネーク・アーニーから手紙が 来たのは1995年9月のことであった。1年前、さくらの季節 に国立を訪れた彼女は国立のさくらの美しさを恋の歌として 発表することにしたというのである。"kunitachi"という題 名を付けられたその歌は1996年春、さくらの季節に日本でも CDで発売されることになった。


彼女が再来日するとき「はっぽん」で生の"kunitachi"を聞く チャンスがあるかもしれない。「はっぽん」に集う人々は皆 それを楽しみに待っている。

(Dec. 1995)