初詣 谷保天満宮

words & photo: 武澤一隆

毎年私は新年を迎えるのに紅白歌合戦を堪能し、行く年来る 年を観終えてから、谷保天満宮に初詣に行く。このコースは 爺臭いと批判されがちだが、ほっといてほしい。私は国立の 市民は谷保天満宮に初詣に行かねばならないと、自分勝手に 思っている。谷保天満宮、学問の神「藤原道真」を祭ったそ の宮は、地理的にも精神的にも文教都市国立の中心に位置す る。谷保天満宮に絵馬を掲げた受験生は、すみやかに希望校 に合格すると言う。

谷保は「やほ」または「やぼ」と呼ぶ。「ヤボナス」などは 谷保が語源である。なぜ「谷保」が「野暮」「ヤボ」などの 悪い意味になってしまったかというと、藤原道真の息子のせ いだそうである。谷保天満宮は藤原道真を祭っているのだが、 御神体を作ったのは谷保に流されてきた道真の息子(三男) だそうで、その息子(三男)が木に彫った父道真の像(御神体) があまりにもへたくそだったため、谷保天満宮の御神体は カッチョ悪い。つまり「ヤボ」であるということになってし まったそうである。

ここでもう一つお参りしておいた方がよいスポットを御紹介 しよう。それは谷保天満宮へ甲州街道から入り、階段を下が る手前右側に有るお稲荷様である。私はこのお稲荷様が国立 の闇の部分の象徴であると自分勝手に思っている。闇の象徴 をカメラで撮りバチがあたったらイヤなので写真は取ってな い。一般の人は夜行くとメチャメチャ恐いので昼行くように したほうがよかろう。くれぐれもいたずらをして国立を壊滅 させるような事はして欲しくない。お願いする。

国立市民は谷保天満宮に初詣に行くべきである。その時 にはお稲荷様にもお参りするべきである。なぜなら国立 を支えているのはこの二つの象徴だからである。この二つの 象徴をくれぐれも粗末に扱わないよう、心の底からお願いす る。

(Feb. 1996)